貸借取引
証券会社に対して、制度信用取引の決済に必要な資金や株式の貸付を行う、日証金の基幹業務です。
証券会社に対して、制度信用取引の決済に必要な資金や株式の貸付を行う、日証金の基幹業務です。
投資家が証券会社から買付資金や売却株式を借りて行う売買を信用取引といい、このうち、反対売買期限等が定められているものを制度信用取引と呼んでいます。証券会社が行うこれらの貸付の元となる資金や株式を証券会社に対して貸し付けているのが、日証金の基幹業務である貸借取引です。この業務を行うには、金融商品取引法上の免許を得たうえで証券取引所から指定を受けることが必要です。毎日、多くの証券会社から大量の貸借申込を受け、証券取引所での決済に必要となる資金と株式を責任を持って供給します。できるだけ幅広く制度信用取引を利用していただくよう、貸借取引で扱える銘柄の拡大と株式調達力の向上に努めています。
金融機関や証券会社が行う、国債をはじめとした債券の貸し借りを仲介する業務です。
債券レポ・現先取引は、金融機関や証券会社が行う国債をはじめとする債券の貸借取引を仲介する業務です。日証金が間に立つことで、債券ディーラーたちは自社の債券・資金ポジション等を競合他社に知られることなく、必要な債券を調達したり、ロングポジションの債券を貸し付けることなどができます。債券レポ・現先取引業務は、債券流通市場の流動性を高めるとともに、資金調達手段としての債券発行市場の機能を支えています。
取引先の資金調達、資金運用などの多様なニーズを迅速に汲み取り、
株券レポ取引等さまざまな取引スキームで応えています。
金融証券営業部では、国内外の金融機関を中心とした取引先の多様なニーズ(有価証券を活用した資金調達や資金運用など)に柔軟に応じるため、株券レポ取引をはじめとした様々な取引スキームを用意しています。
株券レポ取引とは、取引先が保有する株券を借り入れ、現金を担保として差し入れることで資金を供給する取引です。近年、海外金融機関をはじめとして日本株の購入が増加しており、それに伴い資金調達目的での株券レポ取引のニーズも高まっています。こうしたニーズに応えるべく、日本株以外にもアジア株を担保とした日本円の資金調達にも積極的に対応しています。
機動力と柔軟性を強みとし、受入担保の種類や取扱通貨の多様化など、取引先のニーズに合わせた最適なスキームを提供しています。
貸借取引とは別に、売買取引の決済などに必要な株式を証券会社に貸し付ける業務です。
制度信用取引をサポートする貸借取引とは別に、使途制限がなく自由度の高い貸株サービスに一般貸株があります。証券会社は決済日までに必要な株式を用意できない場合や、現物と先物の裁定取引などに利用しています。さまざまな銘柄について、注文を受けてから直ちに株式の貸付を実行できるのが強みです。この業務を担当する貸株課は、生・損保等の機関投資家から株式を調達するチームと、証券会社からの貸株打診に応えて株式を貸し出すチームで構成されています。長年のノウハウが蓄積されたスピーディでダイナミックな業務です。
株式や公社債等の有価証券を担保として、個人投資家や法人を対象に融資を行う業務です。
株式や債券等の有価証券を担保にして、使途の自由な資金を個人投資家や法人へ融資するのが証券担保ローンです。日証金の貸付業務の中では一般の金融機関に最も近い業務で、主に証券会社と取引を行う他の貸付業務に比べると、より幅広いサービス対応力が求められます。受入担保有価証券の価格変動から日々のリスク状況を把握するなどきめ細かい対応を行っています。投資家が保有する有価証券を売却することなくキャッシュ化し、その有効活用によって証券市場の裾野の拡大に役立っています。
業務に必要な資金を確実に、かつできるだけ低コストで調達するなど、
日証金の金庫番ともいえる重要な機能を担っています。
資金証券部資金課では、日証金の貸借取引や各種融資業務に必要な資金を、主にコールマネー、銀行借入、コマーシャル・ペーパー(CP)発行という3つの手段により調達しています。資金調達にあたっては、コストの最小化を図るべく、調達必要量の予測に基づいて期間や利率など最適な資金調達の組み合わせを決定します。資金調達以外にも資金調達に必要となる国債担保の管理、さらに複数の銀行にある預金残高の日々の調整など、資産と負債のバランスを見据えた日証金の金庫番ともいえる重要な機能を担っています。
日証金で行われる取引の決済や貸付時に徴収した担保の管理、
配当金など株式に付随する権利の管理を行っています。
日証金が行う融資や有価証券の貸付は、約定の後、決済をもって完了します。決済管理部では、日本銀行のほか各決済機関とを結ぶネットワークシステムを利用して、資金、国債、株式等の決済の実行や状況把握のほか、貸付にあたって受け入れた有価証券担保の管理を行っています。また、配当金や新株予約権といった株式に付随する権利の管理も行っています。毎日発生する多種・大量の決済を迅速・確実に行うことで日証金は市場から高い信用を得ています。